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大泉水越しに望む小石川後楽園の池泉

Garden Stories / 庭園 / 東京都文京区後楽1-6-6

小石川後楽園

水戸徳川家が築いた、江戸大名庭園の最古の姿

寛永6年(1629)に水戸徳川家初代・頼房が起こし、二代・光圀が完成させた回遊式築山泉水庭園。大泉水を「海」に見立て、京都や近江の名所を縮景として配し、円月橋など中国趣味も取り入れた。特別史跡・特別名勝の二重指定を受ける、東京を代表する日本庭園。

01 / 庭を知る

庭を知る

プロフィール、庭の成り立ち、歩く前に見ておきたい要素をまとめます。

江戸最古の大名庭園

小石川後楽園は、寛永6年(1629年)に水戸徳川家初代藩主・徳川頼房が江戸の中屋敷に築き、二代藩主・光圀の代に完成させた庭園です。江戸時代初期に造られた大名庭園として、現存する最古のものとして知られています。

小石川台地の南端にあたる起伏に富んだ地形と自然林を活かし、日本各地の景勝を写し取った頼房の作庭を、光圀が儒教的な思想と中国趣味を加えて引き継ぎました。三代将軍・家光もこの邸をたびたび訪れ、作庭に関わったと伝えられています。

「後楽」という名

園の名は、光圀が明から亡命していた儒学者・朱舜水の意見を取り入れ、宋の范仲淹『岳陽楼記』の一節「先(さき)んじて天下の憂いを憂い、後(おく)れて天下の楽しみを楽しむ」から名づけられました。為政者の心得を説くこの言葉を、光圀は自らの政治的信条としました。

海・山・川・田園が連環する回遊式庭園

園内は中央の「大泉水」を海の景として、その周囲に山・川・田園(村里)の景が連環するように配置された回遊式築山泉水庭園です。大泉水は琵琶湖の形になぞらえ、竹生島を模した中島が浮かびます。京都の風景を写した大堰川や赤い通天橋、音羽の滝、中国の西湖を模した堤、満月のように水面に映る円月橋など、見立ての景が次々と現れます。

江戸時代、園内の泉水は神田上水によってまかなわれていました。武家屋敷の中を上水が流れる例はまれで、現在も「神田上水跡」にその痕跡が残ります。

二重指定の名園

昭和27年(1952年)、文化財保護法により特別史跡および特別名勝に指定されました。この二重指定を受けているのは、全国でも金閣寺・銀閣寺などわずか9か所、都立庭園では浜離宮恩賜庭園と当園の二つだけです。

梅林、しだれ桜、カキツバタ、花菖蒲、そして紅葉と、四季を通じて表情を変える庭。歴史的な景色の向こうに東京ドームが見えるのも、現代の東京ならではの一景です。

要素

庭を読む

大泉水(海の景)

園の中心に広がる大泉水は「海」に見立てられ、琵琶湖の形をなぞって造られたと伝わります。竹生島を模した中島が浮かび、ここを基点に山・川・田園の景が周囲へ連環していきます。

円月橋と中国趣味

水戸光圀が儒学者・朱舜水の意見を取り入れて造らせた石橋。橋のアーチが水面に映ると満月のような円を描くことから円月橋と呼ばれます。西湖を模した堤とともに、中国の世界観を庭に持ち込んだ要素です。

通天橋と大堰川(京都の縮景)

京都・東福寺の通天橋になぞらえた朱塗りの橋と、嵐山の大堰川を写した流れ。家光の意向が反映されたとされる一帯で、秋には紅葉が橋を彩ります。

02 / 庭仕事の視点

庭仕事の視点

剪定、石、水、陰影、園路の判断を、庭師の目線でほどきます。

01

起伏を読む地形利用

小石川台地南端の自然な起伏と既存の林を活かして築かれており、平地を造成するのではなく地形そのものを景の骨格に取り込んでいます。回遊路を歩くと視点の高低が連続して変わり、限られた敷地が広く感じられます。

02

神田上水による水の確保

江戸期、園内の泉水は神田上水から引かれていました。武家屋敷の中を上水が通る例は珍しく、池の水位と流れを維持する設計思想が、現在の「神田上水跡」にも読み取れます。

03

茅葺の建物を残す手入れ

九八屋や丸屋といった茅葺屋根の建物が園内に点在し、定期的な葺き替えと周囲の植栽管理によって景が保たれています。文化財としての保存修理が、庭の風景を成立させ続ける土台になっています。

03 / 歩く

庭を歩く

歩く順番、基本情報、地図をひと続きで見て、映像がある場合は歩く速度まで確認できます。

この庭の歩き方

視点を少し変えると、庭の考え方が奥深くなる

01

東門から大泉水へ

JR水道橋駅から近い東門を起点に。入ってすぐ大泉水の全景が開けるので、まずは池を一周する大きな流れを意識して歩き始めます。

02

西湖の堤・円月橋へ

池の奥へ進むと中国趣味の景が現れます。西湖を模した堤を渡り、円月橋では水面への映り込みを確かめてみてください。

03

通天橋・大堰川で京都を歩く

京都の名所を縮景にした一帯へ。朱塗りの通天橋と大堰川の流れを抜けると、紅葉期はここが最大の見どころになります。

基本情報

住所
東京都文京区後楽1-6-6
最寄駅
JR総武線「水道橋」駅(東門)
開園時間
9:00-17:00(入園は16:30まで)
休園日
年末年始(12月29日-翌1月1日)
入園料
一般 300円 / 65歳以上 150円(小学生以下・都内在住在学の中学生は無料)

※ 開園時間・料金・休園日は変更される場合があります。訪問前に公式情報をご確認ください。

入口まわり、駅からの距離、周辺の道を訪問前に確認できます。

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04 / 関連情報

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