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六本木ヒルズの高層建築に囲まれた毛利庭園の池と植栽

Garden Stories / 庭園 / 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ内

毛利庭園

六本木ヒルズに残る、大名屋敷の水と記憶

六本木ヒルズの中心にある毛利庭園は、江戸時代の大名屋敷の記憶を受け継ぐ都市の日本庭園。池、滝、渓流、既存樹木、現代アートが重なり、ガラスの高層建築の足元に静かな余白をつくっています。

01 / 庭を知る

庭を知る

プロフィール、庭の成り立ち、歩く前に見ておきたい要素をまとめます。

六本木の中心にある、静かな水の庭

毛利庭園は、六本木ヒルズの森タワーとテレビ朝日本社のあいだに広がる日本庭園です。周囲にはショップ、レストラン、美術館、オフィスが集まりますが、池のほとりに立つと街の速度が少しだけ落ちます。

庭園の中心にあるのは毛利池。水面のまわりには滝、渓流、低く刈り込まれた植栽、桜やイチョウなどの樹木が配され、短い時間でも回遊式庭園のように歩く楽しさがあります。高層建築に囲まれた場所でありながら、水音と木陰によって、都市の中に別の時間が開かれるような庭です。

毛利家の屋敷跡から、現代の庭園へ

この土地の記憶は江戸時代まで遡ります。かつてこの周辺には、長府藩主・毛利家の上屋敷があり、その庭園として水と緑の景観が育まれました。明治以降は所有者が変わり、昭和期にはニッカウヰスキー東京工場、のちにテレビ朝日の敷地となります。池は長く「ニッカ池」と呼ばれ、地域の風景として親しまれていました。

六本木六丁目地区の再開発では、かつての池の遺構を地中に保存し、その上に現在の毛利庭園が整備されました。ここで面白いのは、新しい都市開発でありながら、土地の記憶を消さない設計になっていることです。古い池をそのまま見せるのではなく、地下に眠らせ、現在の水景として受け継ぐ。毛利庭園の静けさは、この「見えない継承」から生まれているのかもしれません。

古い木と、現代アートが同じ水面に映る

庭園では、開発前からこの地にあったソメイヨシノ、イチョウ、エノキ、クスノキなどの樹木が残され、一部の石材も再利用されています。春は桜とツツジ、初夏はスイレンやハナショウブ、梅雨にはアジサイ、秋には紅葉や実ものが景色を変えていきます。

毛利池には、ジャン=ミシェル・オトニエルによるパブリックアート《Kin no Kokoro》も置かれています。金色の連珠が水面に映り、歩く角度によってハートにもメビウスの輪にも見える作品です。歴史ある庭園に現代アートが置かれていることは、六本木らしい違和感であり、同時にこの庭の魅力でもあります。

NIWAの視点

毛利庭園は、広大な名園というよりも、都市の密度の中で「余白」をつくる庭です。池を中心に視線を落とし、滝の音で街のノイズをやわらげ、植栽の季節変化で時間を感じさせる。六本木ヒルズという巨大な都市装置の中に、江戸から続く水の記憶をどう残すか。その答えのひとつが、この小さな庭にあります。

撮影するなら、朝のやわらかい光、水面に映る建築、春の桜、秋の紅葉、夜のライトアップが狙い目です。庭そのものだけでなく、背後に立つガラスの建築まで入れると、毛利庭園らしい「都市と庭の対比」が出やすくなります。

要素

庭を読む

毛利池

庭園の中心となる池。かつて親しまれた「ニッカ池」の記憶を受け継ぎ、六本木ヒルズの中に水面の静けさを生み出しています。

滝と渓流

小さな滝と流れが、都市の音をやわらげる役割を果たします。視覚だけでなく、水音で庭の奥行きを感じられる要素です。

既存樹木と移植木

ソメイヨシノ、イチョウ、エノキ、クスノキなど、開発前からこの地にあった樹木が庭の時間を支えています。

02 / 庭仕事の視点

庭仕事の視点

剪定、石、水、陰影、園路の判断を、庭師の目線でほどきます。

01

見えない遺構を守る設計

旧ニッカ池の遺構は地下に保存され、現在の毛利池がその上に整備されています。歴史を露出させるのではなく、土地の下に残すという継承の方法がこの庭の核です。

02

既存木を活かす都市再開発

開発前からの樹木を保存・移植することで、完成直後の人工的な緑ではなく、時間を持った緑が庭に残されました。

03

水音によるノイズコントロール

滝や渓流は景観要素であると同時に、周囲の都市音をやわらげる装置でもあります。小さな庭ほど、音の設計が体験の質を左右します。

03 / 歩く

庭を歩く

歩く順番、基本情報、地図をひと続きで見て、映像がある場合は歩く速度まで確認できます。

この庭の歩き方

視点を少し変えると、庭の考え方が奥深くなる

01

六本木駅から庭園へ入る

日比谷線六本木駅1C出口から六本木ヒルズへ。商業施設の動線から一歩外れ、まずは毛利池の水面を目指します。

02

池を時計回りに歩く

池、滝、渓流、植栽の見え方が少しずつ変わるので、短い距離でも一周して視点の変化を楽しむのがおすすめです。

03

木陰と水音で立ち止まる

既存樹木の木陰や水音の近くで立ち止まると、六本木の中心にいることを一瞬忘れるような静けさがあります。

基本情報

住所
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ内
最寄駅
東京メトロ日比谷線「六本木駅」1C出口直結 / 都営大江戸線「六本木駅」3出口 徒歩約4分
開園時間
7:00-23:00
休園日
年中無休(降雪時など閉鎖の場合あり)
入園料
無料

※ 開園時間・料金・休園日は変更される場合があります。訪問前に公式情報をご確認ください。

入口まわり、駅からの距離、周辺の道を訪問前に確認できます。

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